襟裳岬

理由のわからないことで悩んでいるうち 老いぼれてしまうから
黙りとおした歳月をひろい集めて 暖めあおう
 森進一の歌として聞くとき、私達に印象深いのはイントロの高らかなトランペットの響きです。曲を作った拓郎もこれには驚いたそうです(BS日テレ「地球劇場」)。
捨てて来てしまったわずらわしさだけを くるくるかきまわして
通りすぎた夏の匂い想い出して 懐かしいね
 拓郎にしてみれば、この曲にはどちらかと言えばもっとサラリとした軽い感覚があって、森が最後のフレーズを力強く『暖まって行きなよー』と歌った時には「まいった!」と思ったそうです。
 勿論、肯定的に歌手森進一に敬意を払った感想なのですが、私にも『襟裳岬』は演歌としての方が耳に馴染みます。谷村新司とのデュエットもオシャレな感覚が勝ちすぎて、好みとは少し違いました。
 結局、流行り歌というのはそれで呼び起こされる個々の風景の鮮やかさが命なのだと思います。そういえば、相当長きに亘りそうした曲に巡り合っていないことに気付かされ、やや心配になりました。


画像
               梅雨晴れの幟
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