ギリシャの誇り

ギリシャ人は、ギリシャ語を話さぬ他のすべての民族のことをバルバロイ(バルバロスの複数形)と呼んだが、それは「どもる者」という意味であった。「どもる」と言われる行動の定義はともかくとして、ここで言おうとしていることは、なにか口からオトが出てはいるが、そのオトはまともなことばになっていないという判断である。(『ことばと国家』/田中克彦著/岩波新書)

ギリシャ議会が承認した財政再建策は、付加価値税13%の23%への引上げ、GDP1%分の年金支出削減など、EUが提示した案をほぼそのまま受け入れたものです。国防費上限を約550億円削減することも条件付きで受諾しています。

国民投票では緊縮策反対の声が6割強を占めましたが、巨額(約7兆円)の支援を受けようとすれば、やむに已まれぬ決定だったのかも知れません。しかし、国防費にまで口出しされるということは、国家の誇りを大きく傷つけられることを意味しています。防衛担当の閣僚は政府案に反対した、と報道されていますが、分からなくもありません。

先行きはまだまだ不透明ですが、一つだけ明確になったことがあります。それは、国家の存立にとって安全保障や社会保障以上に重要なものは、それを支える財政の健全性である、ということです。"論理はギリシャ語で語られる"と思っていた「国家」でさえ、金がなければ何も言えない羽目に陥るのです。

今日「11日」は月命日です。あり得ないと思うことが意外とあっさりと目の前で起きることは、私達もすでに経験済みなのです。


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             夏草

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