憲法9条の肝は、2項である。

共同通信が実施した『戦後70年世論調査』の結果が、22日の地元紙に掲載されました。憲法については、「このまま存続」が60%、「改正すべき」が32%となっています。興味深いのは、憲法を維持するべきという人達の最大の理由である「戦争放棄・平和主義」が、同時に改正派の理由としても最多になっているということです。つまり、9条があるから平和が保たれているという意見と、これがあるから日本は危ういという意見が対立しているのです。

しかし、前にも書きましたが、「戦争の放棄・平和主義」は国際標準です。元祖パリ不戦条約から国連憲章まで、武力による威嚇や行使は、世界中で明確に否定されているのです。武力で紛争を解決しようとする国はどこにもなく、アメリカ自身も、今や至るところで好き勝手に戦争をするのが正常だとは思っていません。つまり、これも前に書きましたが、憲法9条の核心は、『戦力も持たず、交戦権も認めない』としている2項をどう考えるかです。ここに尽きるのです。

自衛隊を集団的自衛権を行使できる部隊として整備し、米国と共に行動できるようにしようということが、憲法を改正すべきという人の最大の論拠で、分かり易い主張です。一方、護憲派の主張は、二つに分かれるのではないかと思います。一つが、条文どおり、毎年5兆円も使う自衛隊にも反対で「非武装中立」を実現すべきという主張です。もう一つが、自衛のために許される最低限の武力は認め、日米同盟を基軸に従来の憲法解釈の範囲内で専守防衛を貫こうというもので、私は、こちらが多数派の様な気がします。

いずれにしても、昨年7月の集団的自衛権の行使に途を開いた閣議決定が、国会での議論を浅くしている最大の要因だと思います。憲法との関係、つまり根源的な論点を置き去りにしたままでは、国民の胸を打つ議論とならないのは、明らかです。


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             バルーン

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