世界農業遺産に認定された『長良川の鮎』

国連食糧農業機関(FAO)によって、長良川上中流域の「清流長良川の鮎」が世界農業遺産(GIAHS)に認定されました。「和歌山県みなべ・田辺地域」と「宮崎県高千穂郷・椎葉山地域」も同時に認定されましたが、何はともあれ、喜ばしい話です。

GIAHSとは、伝統的な農業とそれに関わる地域を次世代へ継承する目的で02年から開始されたプログラムです。日本では、佐渡と能登が11年に初めて認定され、その後、静岡の茶、阿蘇及び 国東半島・宇佐が13年に認定されています。

近代農業の過度な生産性偏重が世界各地で森林破壊や水質汚染等の環境問題を引き起こしている、というのがこの認証制度創設の契機となっています。地域文化や生物多様性などの消失防止が大きな目的となっているのです。

ユネスコの世界遺産が歴史的建造物など不動産の保護が目的であるのに対して、こちらは地域丸ごと次世代へ継承・保全していこうというものですから、背負うこととなる責任は、より重いものがあると思われます。地域を担う若者の参加が欠かせず、人口減少問題と深くかかわるからです。


ところで、国連の活動については、無力感を嘆く否定的な意見が散見されます。特に安全保障の分野では、機能不全に陥っているという見方が少なからずあります。しかし、では仮に国連無かりせば、ということだと思います。国際連盟を脱退した過去を持つ日本が、その後どんな悲劇を辿ったかを持ち出すまでもなく、こうした"枠組"の持つ力を否定することになんの益もありません。国連の機能強化こそ、平和の礎だと確信しています。


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        雨の伊自良川(長良川支流)
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