週刊・『チューズデー』 *都知事の旅費

舛添知事が、高額出張旅費、湯河原公用車利用、政治資金私的流用と火だるまの様相です。この中で最初に問題となり、知事が「トップリーダーに相応で問題ない」と胸を張られた高額出張旅費に絞って、少し考えてみたいと思います。

たとえ知事でも、旅費は条例の定めにより支給されます。都知事の場合、『旅費の算定方法は、この条例に定めるものを除き、職員の旅費に関する条例の例による』、とされています。そして、外国旅行の航空賃は「最上級の運賃の範囲内の実費額」と定められていますから、仮にファーストクラスを使えばその費用は旅費で対応できます。しかし、外国での宿泊料は最高でも「指定都市40,200円」と定められていますから、パリの高級ホテルのスイートを使用しても、その数倍もの高額な旅費は本来支給できません。

それを可能にするのが、『職員の旅費に関する条例』にある「旅費の調整」という規定です(第42条)。その2項には『旅行者がこの条例の規定による旅費により旅行することが当該旅行における特別の事情によりまたは当該旅行の性質上困難である場合には、人事委員会と協議して定める旅費を支給することができる』、とあります。つまり、人事委員会が了解すれば上限を超えて支給できる、となっているのです。

教育委員会と同じ様に人事委員会も知事から独立した機関なのですが、予算や人事に関する法的或いは実質的権限は知事にある、と言っても過言ではありません。ですから、知事から「スイートを使う必要があるから」と言われれば、「贅沢過ぎるから駄目だ」とは言えないのが普通なのです。日銀やNHKが政府の意向に逆らえないのと似たようなものです。

"法的には問題ない"とは、つまりそういうことです。湯河原問題も政治資金の流用も、権力者にとって都合のいい定めでしかない、というところが最大の問題なのです。知らぬ間に民主主義が機能しなくなり、至るところで短絡的且つ乱暴な言動が幅を利かせる世の中になってきています。これまで許されたから今でも許される、と考えるのは大きな間違いだと思います。そんな余裕は、欧米も含めて、殆どなくなってきているのです。それこそ、『トップリーダー』たる人達の真っ先に気付かなければならないことなのではないか、と思います。


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       茅萱(ちがや) 【伊自良川堤防/14日】
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