長良の落陽。

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zoom RSS 官製賃上げ論の限界

<<   作成日時 : 2014/12/29 18:04   >>

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共産党が言ってるうちはまだ良いのですが、政府やメディアからも「減税などで増える利益を内部留保せずに賃金向上へ」などと伝わってくると、やはりこの辺はちゃんと整理しておく必要があると思い立ちました。

内部留保とは利益剰余金のことです。つまり、総収入から従業員の『賃金』などの経費を差し引き、その『利益』に応じて『税』を支払った後の"ストック"として存在するものです。それは先ず設備投資か株主配当に回されるのが通常で、残りがリスク回避のための現金保有となるのです。「賃金に回せ」と主張するなら企業活動をやってるフローの段階で言うべきであって、しかもそれは、「儲け過ぎだ」という意味で批判するべきなのです。もちろん「内部留保が多過ぎる」ということを「現金資産が多過ぎる」という意味で言っても良いのですが、それは設備投資や株主配当が低すぎるという指摘をしているに過ぎないことなのです。早い話が、「内部留保を賃金アップに回せ」というのは二重の意味で的外れなのです。

国際競争力を持つ商品開発を成し遂げ、その利益の増加に相応しい賃上げをするのが健全な企業の経営です。その意味では、利益を賃上げに回す割合(労働分配率)が正当かどうかを考えてみるのは重要なことです。一般に、日本企業の労働分配率は雇用の維持を優先して大きく変化していないのに対して、米国の労働分配率はリーマンショック以後適正水準より低く抑えられていると言われています。

いずれにしても、法人税減税を理由にしたり内部留保の多さを批判して政府から賃上げを迫るのは、明らかに誤りです。それは、持続可能なグローバル企業としての健全な成長を妨げることにもなりかねません。賃金水準をどうするかは労使で情報を共有した交渉に委ねるのが本筋で、個別企業の経営状況で判断する以外に有効な方法はありません。資本主義社会とはそういうものなのです。


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