『週刊チューズデー』 *情報公開

5日の毎日新聞にURの甘利氏側との面談記録に関する記事があります。私は、そこにある日下部聡氏の解説が示唆に富んでいると思います。特に、"官庁は「情報を国民と共有する」という感覚を持つべきである"、ということは忘れてならない基本だと思います。甘利氏問題に関しては、東京地検特捜部は8日夜、URをはじめ関係先の強制調査に着手しました。朝日や日経だけでなく産経さえも"甘利氏は説明責任を果たせ"、と主張しています(10日社説)。

またTPPに目を転じてみますと、交渉過程のやりとりを教えろという野党の求めに対する政府の回答は、日付と題名以外は全部黒塗りでした。つまり、「それは政府だけの情報です」と言っているのです。

さらに遡れば、集団的自衛権に関する憲法解釈の歴史的転換が内閣法制局でどのように議論されたのかは、全く公開されません。仮に議事録が無いとすると、そもそも真面目な議論があったのかさえ疑問です。

今さら指摘することでもないのですが、憲法前文では『国政は、国民の厳粛な信託による』、と宣言しています。つまり、国民が政府や議員に国の運営を委託しているということは、そこにある情報は私達が知ろうと思えば知ることが出来るものである、ということなのです。

折しも『パナマ文書』と言われるショッキングなリークがありましたが、こうした形でしか知る権利が満たされなくなると、そもそも民主主義社会が成り立つのか、という重大な懸念が出てきます。日本でも尖閣での中国漁船衝突ビデオのリークがありましたが、こうした内部告発での情報の「公開」は制度の危機を意味します。

主権者たる国民が選んだ代議員による間接民主主義は、完全な情報公開という前提でしか成立しません。加えて、三権(立法・行政・司法)の全ては私達国民の負担する会費で運営されているということも、時々確かめ合う必要があります。国政選挙は、その節目でもあるのです。


画像
      コサギ 【長良川/9日】

―――――――――――――――――――――――――――――――――――了