長良川の尉鶲(じょうびたき)

数多いヒタキ類の中で、絵画や詩歌に取りあげられる「鶲」はジョウビタキのこと。…ヒッヒッという声が火打石を打つ音に似ているので「火焚き」からヒタキと名がついた。翼の白斑から「紋付き鳥」と呼ぶ地方もある。
 【「俳句の鳥」・辻桃子監修/吉田巧写真・創元社】

画像

画像

『・・・、この鳥がやって来ると、いよいよ冬も近いなと思う』、という理由で秋の季語となっています(平凡社歳時記・秋/水原秋櫻子編)。しかし私は、「鴨来る」が秋で「鴨」が冬の季語である様に、「尉鶲」そのものは冬に分類して欲しい気持ちです。この鳥には鴨以上に冬そのものを感じるからです。

考えてみれば日本は縦に長い国ですから、個々の動植物から受ける個々人の季節感を統一するのは、元々難しいことなのかも知れません。そしてそれ以前に、その鳥に出会った一番印象深い季節がいつなのかは、それこそ人それぞれなのですから、やはり無理な注文ではある訳です。



冬の雨藍のショールの片結び  織二

    
【長良川/14日】     
―――――――――――――――――――――――――――――――――――了