神頼み

吉川英治『宮本武蔵』では、武蔵は、一乗寺下り松の決闘に向かう途中、八代神社での神頼みを思い止まった。神仏に頼ろうとした自分の弱さを戒めたのである。

この記憶の所為とまでは言わないが、長い間信仰心には程遠い生活をしてきた。

しかし最近は、意外とその辺を気にするようになってきている。おみくじが「大吉」だと結構うれしいし、新しい靴を下ろすタイミングにこだわったりしているのだ。どうでも良いことなのだが、どうでも良いことで気に病みたくないのだろう、と思う。

ところで、間もなくスコセッシ監督の『沈黙‐サイレンス‐』が公開される。言うまでもなく遠藤周作の『沈黙』が原作だが、映画化の権利取得から28年越しでの完成らしい。比較にならない信仰心の凄まじさに打ちのめされてみたいような、そんな気もする。


画像



離されず付いて行く鴨見届けり  織二

        
【長良川/18日】     
―――――――――――――――――――――――――――――――――――了